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矯正歯科

受け口の2つのパターンと矯正治療を子供が行うときの5つの方法

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「受け口」は下の顎が前に出て目立ちやすく、サ行やタ行の発音がしにくいなど日常生活へ支障が出ることもある歯並びです。

乳歯が生え揃った3歳頃からみられるようになるので、「受け口だから将来外科手術をしなければいけない可能性がある」と3歳児検診などで指摘されたら、どの親御さんもびっくりされてしまうことでしょう。

一口に受け口といっても、大きく分けて2パターンの分類があるのをご存知ですか?

一つは骨格に問題があるパターンで、もう一つは歯並びに問題があるパターンです。この2つのどちらに分類されるかで、矯正治療の難易度は大きく変わってきます。

そのため、まずは歯科医院で精密検査を行い、どのパターンなのかを判断してもらったうえで最適な治療を受けることが大切です。

この記事では、受け口の情報と2つのパターン、矯正治療を子供が行うときの5つの方法をご紹介します。

受け口とは

受け口とは、専門用語で「下顎前突」もしくは「反対咬合」といいます。

本来前歯は、上の歯が下の歯にかぶさっている状態が正しいのですが、これが逆に咬み合わさり、下の歯の方が前に出てしまった状態です。下顎が前に出ていたり、下の前歯が前に出ていたりするため、横から見たときにしゃくれていることが多く、見た目を気にされる方も多いです。

噛む機能に問題があるケースも多く、よく噛まずに食べ物を丸飲みしてしまったり、食べるのが遅かったりするため、胃に負担をかけやすくお腹を壊しやすいといわれています。また、舌に問題を抱えているため、喋り方が独特になってしまうこともあります。

このように、受け口は見た目の問題だけでなく、食べる、喋るなどの口の機能にまで問題を抱えてしまう可能性があるのです。

以下は、受け口になる原因です。

  • 親や親族からの遺伝
  • 骨格的な発育過剰、発育不全
  • 指しゃぶりなどの幼少期からの癖
  • 口呼吸

人によって舌の位置や動きが異なるため、舌の先が下側にある、下顎の前歯を押す癖がある方は、現時点で症状が出ていなくても注意しなければいけません。

受け口の2つのパターン

受け口は、原因に関係なく一括りにされることも多いですが、すべての症状に同じ治療法は適応しません。

大きく分けると2つのパターンがあり、ごく軽度から重度まで症状も異なってきます。それによって適した治療が違ってきますので、まずはそれぞれのパターンについて詳しくご紹介します。

骨格に問題があるパターン

ひとつ目は、骨格に問題があるパターンです。専門的には、「骨格性反対咬合」といいます。

これは、下顎が大きすぎることで下の前歯が上の前歯よりも前に出てしまっている状態です。つまり、歯並びよりも顎の骨が原因で受け口になっているということです。この場合、成長するにつれて下顎も一緒に成長し、治療期間が長引いてしまう可能性も。

一般的に骨格性の要因が大きいほど治療の難易度が高くなります。

顎の骨のズレが大きければ大きいほど、大人になったときに外科手術で顎の骨を削る治療を行う必要が出てくるでしょう。

歯並びに問題があるパターン

歯並びに問題があるパターンは、専門的には機能性反対咬合といいます。原因は、前歯の位置がわずかにズレていることです。

このパターンは骨格性の問題はないものの、正しい下顎の位置で咬もうとすると、上下の前歯が先に当たってしまうため、奥歯が咬み合わないままになってしまいます。奥歯が咬み合うには、下顎を前に出して上下の前歯が当たらないようにしなければいけません。

成長期の子供で歯並びが受け口の状態になっている場合、先天的な要因がなかったとしても、骨格性の問題に移行して重症化してしまうケースもあるので注意が必要です。

受け口は、2つのパターンと症状の程度によって、治療の難易度を分類することができます。

矯正治療を子供が行うときの5つの方法

一般的に、受け口の矯正治療は5歳までが重要です。

なぜなら、上記でもご紹介したように、受け口は骨格などの問題を抱えているケースも多いからです。また、舌の癖などが原因の場合にも、改善するまでに時間を要することがあるため、早めから対応するようにしましょう。

矯正治療の方法は、子供のうちに上顎の成長をサポートするものと、成長期が終わったあとに行うものがあります。年齢や症状の重さなどによって異なりますが、ここではその代表的なものを5つご紹介します。

チンキャップ

チンキャップとは、下の顎の成長をコントロールする装置です。成長期に下顎を押さえることで、下顎の著しい前方成長を抑える効果があります。

ヘッドキャップをかぶって使用し、取り外すこともできますが、毎日10時間から12時間の使用が推奨されています。下顎の尖った「オトガイ」という部分にチンキャップをかぶせるため、「オトガイ帽装置」と呼ばれることも。見た目が目立ってしまうので、就寝時や学校から帰宅したあとにつけることが多いでしょう。

ほとんどの場合、下顎の成長が大きい時期に装着します。身長が大きく伸びる時期は下顎の成長期でもあるので、使用が望ましいと言えるでしょう。

上顎前方牽引装置

上顎前方牽引装置とは、上顎全体を前方向に誘導する装置です。成長期の潜在能力を利用して、顎を整える力を加えることで、受け口の改善を図ります。

顔の前方についているフレームと、口の中に入れた装置をゴムで繋ぎ、上顎を前に引っ張りながら歯並びを全体的に前方へと移動させます。

主に、上顎が成長する10歳くらいまでの子供に使用する装置で、1年間程度で治療を終えられることがほとんどです。この装置もチンキャップと同様に家にいる間だけ使用します。

歯列矯正用咬合誘導装置・ムーシールド

ムーシールドは、マウスピース型の歯列矯正用咬合誘導装置です。就寝時に口の中に装着することで、舌を正しい位置になるように訓練し、口周りの筋肉のバランスを整えます。

その結果、上顎の成長が促進されるだけでなく、下顎の成長も抑制されるため受け口が改善されます。

3歳以上で装置を装着できる子供であれば、

歯列矯正用咬合誘導装置・ムーシールドによる治療を受けることが可能です。就寝時に装着するだけなので、日常生活への支障が少ないのも親御さんにとって嬉しいポイントではないでしょうか。

通常、歯列矯正用行動誘導装置・ムーシールドでの治療期間は1年以内です。

マウスピース型矯正装置

マウスピース型矯正装置は、従来大人を対象とした治療法でした。しかし、マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストの登場により、先天的な要因による受け口や、下の歯が前に出過ぎていないケースでマウスピースを用いた治療が可能となりました。

マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、薄くて透明なマウスピースを装着するだけで顎の成長のサポートと歯並びを同時に治療できます。食事や歯磨きの際は取り外せるので、食べ物などに制限がなく、好きなものを食べられます。

ただし、1日20時間以上の着用が推奨されており、守らなければ期待した効果が得られない点に注意が必要です。

乳歯と永久歯が混在する混合歯列期の子供に向けた装置ですので、6歳から10歳くらいまでの間に使用します。治療開始前に、コンピューター上で仕上がりをシミュレーションするため、治療後の様子がイメージしやすいのもポイントです。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、ブラケットという金属の装置にワイヤーを通し、歯並びを整えていく治療法です。矯正治療と聞いてまず思い浮かぶのは、この治療法ではないでしょうか。

ワイヤー矯正による受け口の治療は、下の歯を奥に入れ込むスペースを確保するために、抜歯をするか、歯列全体を後方に移動させる必要があります。この方法は、永久歯が生えそろった永久歯列期に入ってから行うことになります。

また、骨格に著しく問題があるパターンを治療する場合は、ワイヤー矯正単体では改善できません。外科矯正という矯正治療を行うことになります。

外科矯正では、上下の歯並びを整える歯列矯正を行った後、下顎を後ろに下げる外科手術を行います。術後は、ある程度落ち着いてから咬み合わせを調整するために、再びワイヤー矯正を行わなくてはいけません。

まとめ

受け口の情報と2つのパターン、矯正治療を子供が行うときの5つの方法をご紹介しました。

子供の受け口は、骨格が問題のパターンでは成長とともに顎の骨も伸びてしまうことが多いため、いかに早く対策を行うかが重要です。

歯並びだけが問題のパターンでも、放置することで骨格の問題にまで発展する恐れもあります。治療を行う時期は、永久歯に変わりはじめる6歳ころから、上顎の成長が止まってしまう10歳までの間がおすすめです。子供の受け口が気になる場合は、早めに歯科医院へ相談するようにしましょう。

当院では、お子様一人ひとりに最適な治療を行うために、歯や口の中の状態を細かく検査しております。しっかりと治療計画を立て、丁寧にご説明いたしますので、気になることや疑問があればなんでもお尋ねください。

また、日本矯正歯科学会の認定医が多数在籍しておりますので、大切なお子様の治療を安心してお任せいただけます。

お子様の受け口が気になる親御様は、ぜひ一度「千代田区の矯正歯科専門・末広町矯正歯科」までご相談ください。

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