矯正治療といえば、歯の表面に銀色のブラケットという装置にワイヤーを通す「ワイヤー矯正」をイメージされるかもしれません。
しかし近年、マウスピース型矯正装置の登場により、ワイヤー矯正のさまざまなデメリットが改善され、歯列矯正がぐっと身近なものになりました。
子供が使用するマウスピース型矯正装置の中でも「インビザラインファースト」という装置は、従来別々の方法で2度の期間に分けられて行われていた治療を、1回で済ませられるなど、子供と親御さんの両方にとって非常にメリットが大きい治療法です。
しかしその一方で、せっかくマウスピース矯正をはじめたにもかかわらず、子供が嫌がって途中で治療がストップしたり、思った通りの結果が出なかったりするケースもあります。
マウスピース矯正は、基本的に途中でやめてしまっても費用の返金対応が難しい場合も多いので、できるだけそのような事態は避けたいのが本音ではないでしょうか。
この記事では、子供がマウスピース型矯正装置をするメリットと嫌がる理由、対処法についてご紹介します。子供の歯列矯正を検討している、子供がマウスピースを嫌がって困っているという親御さんはぜひ最後まで読んでみてください。
子供がマウスピース型矯正装置をするメリット
冒頭でもご紹介したように、マウスピース型矯正装置・「インビザラインファースト」というマウスピース矯正は子供と親御さんのどちらにとってもメリットの多いマウスピース型矯正装置です。透明なプラスチック製の装置を装着して歯を矯正していくので、学校などで周りのお友達に矯正器具をからかわれるなどの恐れがほとんどありません。
以下は、子供がマウスピース型矯正装置・インビザラインファーストで歯列矯正をするメリットをまとめたものです。
- 装置が透明で目立たない
- 自由に取り外しができる
- スポーツや楽器の演奏などに支障がない
- 金属アレルギーでも治療が可能
- 虫歯治療の邪魔にならない
- 比較的痛みが少ない
- 顎を広げる治療と歯並びを整える治療が同時にできる
- 治療期間や仕上がりのイメージが事前に確認できる
一般的に、マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストでの治療にかかる期間は、半年から1年半程度といわれています。小学校の低学年頃に治療を開始するのが理想的だといわれていますが、一人ひとり症状が異なりますので、歯科医院で相談してみることをおすすめします。
子供がマウスピース型装置矯正を嫌がる原因
マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、子供の発育に合わせ第1期治療といわれる混合歯列期に行う治療です。従来のワイヤー矯正と比べて格段に違和感や痛みが少ないため、嫌がる子供が少ないのもマウスピース矯正の特徴です。
しかし中には、マウスピースであっても矯正を嫌がる子供もいます。ここでは、その理由についてご紹介します。
食べるときは外さなくてはいけないから
マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、食事や間食など飲食の際は外すように指導されます。これは、マウスピース型矯正装置・マウスピースを装着したまま食べ物を食べると装置が損傷したり、歯と装置の隙間に食べカスが入り込んだりする可能性があるからです。
また、マウスピースを強く噛み締めることにもなりますので、装置が変形してしまう原因になることも。
飲み物についても、装置に色が移ってしまう恐れや、甘いジュースが歯と装置の間から入ってしまうため飲んではいけないことになっています。
ちょっとしたおやつを食べるときでも、わざわざマウスピースを取り外さなくてはいけないので、装置の着脱を面倒くさがるようになり、最終的には治療が嫌になってしまうケースも考えられるでしょう。
歯磨きを入念に行う必要があるから
マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、取り外して歯磨きができるため、治療前と同じように歯を磨けるのもポイントです。
しかしその反面、マウスピースを装着していることで本来口の中に循環しているはずの唾液がさえぎられてしまい、虫歯の原因菌が流れにくい状態になってしまいます。
そのため、マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストでの治療中は、歯磨きを入念に行わなくてはいけません。
また、マウスピース自体も取り外すたびに洗浄し清潔にしなければいけないので、給食などを食べたあとも学校で歯磨きをしっかりと行い、装置を洗う必要があります。
これらのことから、子供がマウスピース矯正を嫌になってしまう可能性があるでしょう。
唾液が溜まりやすくなるから
マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、薄くて違和感が少ない歯列矯正の方法です。しかしたとえ違和感が少ないとしても、子どもにとっては口の中に異物を入れていることに変わりありません。
食べ物を口にすると唾液腺が刺激され、唾液が出てくるのと同じように、異物であるマウスピースを装着したときも、食べ物を食べるのと同じように唾液腺が刺激されてしまう可能性もあります。
慣れれば唾液が溜まることはなくなりますが、子供はそれまで我慢できず、マウスピース型矯正装置を嫌がるようになってしまうこともあります。
子供がマウスピース型矯正装置を嫌がるときの対処法
子供が小さいうちからマウスピース型矯正装置を行うのは、歯並びを改善するだけでなく、顎の骨の成長をサポートし、より自然に綺麗な歯並びを作るためです。歯並びだけを整えたいのであれば、大きくなってから治療を行った方がスムーズに治療が進みます。
マウスピース型矯正装置には子供自身の協力が必要不可欠です。すでに治療を嫌がってしまっている場合、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、子供がマウスピース型矯正装置を嫌がるときの対処法を3つご紹介します。
歯並びや咬み合わせが悪いことによる影響について説明する
まずは、子供に歯並びや咬み合わせが悪いとどうなるのかを具体的に説明してみましょう。たとえば、以下のような具体的な理由を伝えてみます。
- 歯並びが悪いと顔の形まで変わってしまう可能性がある
- 食べ物を上手に噛めないため、お腹が痛くなりやすい
- 喋りにくくなる可能性がある
- 虫歯になりやすいため、歯医者にたくさん通わなければいけない
また、デメリットと同時にマウスピース型矯正装置を終えたあとのメリットについても伝えてみるとよいでしょう。はじめはすぐに納得してくれないでしょうけれど、根気強く説明し続けていくことをおすすめします。
親御さんも子供と一緒にマウスピース型矯正装置をする
マウスピース型矯正装置・インビザラインは、もともと大人のみを対象としたマウスピース矯正装置です。
もしも親御さんにも歯列矯正が必要な場合は、子供の治療より先に治療をはじめ、マウスピースに対する抵抗感をなくしておくのもひとつの方法です。普段から親御さんがマウスピースを装着する様子を見ていれば、自分もやってみようという気持ちになるでしょう。
マウスピース型矯正装置・インビザラインは、着脱する際にケースやポーチに入れて保管します。お揃いのケースやポーチを使用することで、一緒に頑張っているという気持ちを高められるのでおすすめです。
また、マウスピース型矯正装置は痛みの少ない方法ですが、マウスピースの交換時などに多少の痛みが出ることもあります。そのような場合でも、親御さんと気持ちを共有できれば、子供も我慢できるようになるでしょう。
他の矯正方法に切り替える
子供がマウスピース型矯正装置を嫌がる場合、従来のワイヤー矯正に切り替えるのもひとつの手です。
顎の骨を広げる治療が必要な場合は、床矯正などで発育をサポートし、その後ワイヤー矯正などで歯並びを整えていくことになるでしょう。
ここで注意したいのは、費用についてです。冒頭でもご紹介したように、マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、途中で治療をやめてしまっても返金が難しいケースも多くあります。
なぜなら、マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、治療を申し込んだ時点で使用する全てのマウスピースが作製され費用がかかるため、返金が難しくなってしまうでしょう。
さらに、新しく床矯正やワイヤー矯正を行う場合、その費用もかかってきます。費用のことは気にしないという親御さんには、おすすめの方法です。
まとめ
子供がマウスピース矯正をするメリットと嫌がる理由、対処法についてご紹介しました。
マウスピース型矯正装置・インビザラインファーストは、マウスピース型の装置を装着するだけで、顎の骨の成長をサポートする治療と歯並びを同時に治療できます。
薄くて違和感も少ないため、嫌がる子供は少ないですが、中にはどうしても続けられない場合もあります。とくに子供は、苦痛を伴うことは続けられませんし、その姿を見ている親御さんも辛いでしょう。
子供に歯列矯正が必要な理由などをきちんと説明し、親御さんにできる限りのサポートをすれば、ふとした瞬間から矯正治療を受け入れてくれるようになるかもしれません。
子供が嫌がらずにマウスピース矯正をしてくれるかどうかは、治療を受ける歯科医院によるところもあるでしょう。治療前のカウンセリングなどで、子供と歯科医師との相性などについて注意深く観察してみることをおすすめします。
当院では、お子様がリラックスできるように、個室での診療を行っております。マウスピース型矯正装置だけにこだわらず、さまざまな治療の中からお子様に最適な方法をご提案いたしますので、ぜひ一度「千代田区の矯正歯科専門・末広町矯正歯科」の無料カウンセリングへお越しください。