「2歳の子供が反対咬合なので治し方を知りたい」という悩みを抱えている方はいませんか?反対咬合の治療は基本的に3歳からが目安となりますが、クリニックによっては2歳でも治療を行えます。
反対咬合は何もしなくても自然に治る可能性があるものの、症状が悪化するリスクも考えられます。子供の反対咬合が不安であれば、専門のクリニックへ相談することをおすすめします。
子供の反対咬合の不安を解消するためにも、本記事では具体的な治療方法、反対咬合に関する疑問点を解説します。最後までご覧になることで、2歳の子供における治療の必要性が理解できるはずです。
反対咬合は2歳でも治療するべき?
反対咬合の症状が現れている場合、2歳の子供であっても心配であれば早めの治療を検討しましょう。反対咬合をそのまま放っておくと、上顎の成長を阻害してしまうリスクがあるためです。
乳歯が生え揃う前の1〜2歳くらいまでは反対咬合であったとしても、約半分ほどの確率で自然に治るとされています。また、1〜2歳のときに治療をしても、再び症状として現れる可能性が高い傾向にあります。
それらのことから、基本的に反対咬合の治療は、3歳を過ぎてもまだ治っていない子供が対象です。クリニックによっては治療を見送りにするケースもあります。
しかし、症状の悪化が心配であれば、2歳の子供であっても早めの治療を検討しましょう。反対咬合をそのまま放っておくと、上顎の成長を阻害してしまう可能性があります。また、場合によっては下顎の成長を促進することも考えられます。
以上のことから、骨格のゆがみ等が心配であれば、一度専門のクリニックへ相談することをおすすめします。ただし、反対咬合の症状によっては様子見でも問題ない可能性もあるため、過度な心配はしないようにしましょう。
反対咬合を治さないで放置するリスク
「永久歯が生えてから治療すれば良いや」という考えで反対咬合を放置すると、人体にさまざまな影響を及ぼすリスクがあります。
また、2歳くらいの年齢であれば無理なく治すことが可能ですが、5〜6歳頃になって永久歯が生え揃ってくると治療に時間がかかります。反対咬合を放置する以下3つのリスクを理解し、早い時期からの治療を検討しましょう。
リスク1.成長とともに顎の変形が顕著になる
反対咬合は成長とともに顎の変形が顕著になるため注意しましょう。特に下顎の骨は、身体の成長に合わせて大きくなる特徴があります。
身体の成長前に反対咬合を改善していなければ、症状が悪化してしまう可能性があり、その場合は簡単な治療だけでは治らなくなります。場合によっては外科的な矯正が必要になるため、反対咬合は早期の治療が大切です。
リスク2.言葉をうまく発音できなくなる
反対咬合によって徐々に顎が変形するため、言葉をうまく発音できなくなるリスクがあります。特に「サ行」や「タ行」の発音がしづらくなり、舌っ足らずのような話し方になります。
また、反対咬合は日本語の発音だけでなく、英語を話すときにも影響を与えます。最近では小学1〜2年生から英語の授業を行う学校も増えてきているため、反対咬合の影響を残すと教育に支障をきたす可能性もあるでしょう。
リスク3,そしゃく機能が低下する
反対咬合を放置すると、そしゃく機能が低下するリスクもあります。そしゃく機能とは、歯で食べ物を咬み、飲み込むという一連の動作のことを指します。
私たちはご飯を食べる際に、上と下の歯をすり合わせてご飯を細かくします。しかし、反対咬合の影響で顎の変形が進むと、歯をうまくすり合わせることが困難になるのです。
それに伴い、クチャクチャと音を立ててしまったり、固い食べ物をうまく食べられなかったりします。ご飯を食べるスピードが遅くなる原因にもなるため、反対咬合の治療は早めに検討しましょう。
2歳児における反対咬合の治療方法
反対咬合の治療方法は、発生した原因や診断されたタイミングによって異なります。1〜2歳の子供はまだ乳歯が生え揃っていないため、一般的には治療をしないケースが多いです。
しかし、1〜2歳であっても以下3つの方法で治療を開始できます。もちろん、自主的に治療を開始するのではなく、専門のクリニック等で診断を受けてから検討しましょう。
治療方法1.筋機能療法(MFT)
はじめに紹介する治療方法は、筋機能療法(MFT)です。この方法は口周辺の筋肉を正常に機能させるための訓練で、反対咬合に対して治療効果が見込めます。
筋機能療法の目的としては、口周りの筋肉のバランスを整えることであり、健全な噛み合わせや顎の骨格を目指します。また、筋機能療法を実施することで、矯正治療後の後戻りも防ぐことができます。
なお、この筋機能療法で実施する内容は以下の通りです。
- 舌の筋肉を使ったトレーニング
- 頬や唇などの口周りの筋力強化
- 舌の場所や唇の状態を正常にする習慣づけ
- 正しい飲み方や食べ方の理解
このような治療内容を約1ヶ月に1度来院して実施します。また、治療は自宅でも行えるため、クリニックから指示された内容を自宅で毎日行い、少しずつ反対咬合を改善していきます。
治療方法2.拡大床(拡大装置)を用いた治療
反対咬合の治療方法2つ目は、拡大床(拡大装置)を用いた治療です。拡大床とは、上顎の横幅を拡大してスペースを作るための装置を指します。反対咬合によって歯がキレイに並ぶためのスペースがない状態で使用します。
拡大床を使った治療は、大きく分けて「急速拡大法」と「緩徐拡大法」の2種類があります。急速拡大法はその名前の通り、固定式装置を使って短期間でスペースを作る方法です。一方で緩徐拡大法は、1〜2年ほどの長い年月をかけて、少しずつスペースを拡大する方法を指します。
これらの拡大方法で顎の横幅を拡大してスペースを作ることで、上顎の骨の成長を促し、骨格や歯列のバランスを整えます。早い段階で反対咬合に気づいて治療を開始できれば、永久歯がキレイに生え揃うためのスペースを確保できます。
治療方法3.歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)を用いた治療
反対咬合の治療方法3つ目として、歯列矯正用咬合誘導装置(ムーシールド)を用いた治療があげられます。ムーシールドは、口腔筋のバランスを整えるためのマウスピース型の矯正装置です。
反対咬合が生じている方は、舌が通常よりも下の位置にあり、舌先が前歯についている場合があります。舌の筋力が衰えて本来の位置に収まっていないと、顔の歪みや二重顎の原因になるリスクが考えられます。
そこでムーシールドを使えば、舌を正常な位置に持ち上げる効果が見込めるため、舌が下の前歯を押さなくなり、反対咬合の改善が期待できます。また、ムーシールドを装着することで顎の先端部に緊張を促します。その緊張により、顎が後ろに下がって反対咬合を改善する効果に期待が持てるのです。
このムーシールドは装着する時間が長いほど効果を得られますが、日中に装着し続けるのは難しいため、基本的には夜間の就寝時に装着します。早い時期にムーシールドを活用すればかなりの改善効果が見込めるため、反対咬合に悩んでいる方はぜひ検討してみてください。
2歳児の反対咬合に関する疑問点
最後に、2歳児の反対咬合に関する疑問点を見ていきましょう。反対咬合に対する不安が解消されるはずです。
疑問点1.反対咬合は自然に治ることもあるの?
反対咬合は永久歯が生え変わるタイミングで自然に治ることがあります。1〜2歳の反対咬合であれば約半分ほどの確率で自然治癒に期待できるため、過度な心配は必要ありません。
しかし、いつまで経っても反対咬合が治らず、逆に悪化してしまうリスクも考えられます。また、反対咬合は遺伝による影響が大きいことから、ご家族に同じ症状の方がいれば早めにクリニックへご相談ください。
疑問点2.反対咬合は自分で治せるの?
反対咬合は自分でトレーニングをして治せる場合があります。筋機能療法(MFT)などの治療を自宅で実施すれば、少しずつ症状を緩和させることが可能です。
ただし、反対咬合は原因やタイミングによって治療方法が異なるため、自己判断で始めるのは危険です。自己判断で間違った治療をしてしまうと、反対に症状を悪化させる恐れがあります。
自宅で反対咬合の治療を開始する前に、一度お近くのクリニックに相談することをおすすめします。
疑問点3.一度治ったらもう平気なの?
ムーシールドを使った治療などで完治した場合、反対咬合は再発しにくいです。症状やタイミングにもよりますが、過度な心配は基本的に不要です。
しかし、身体の成長とともに再治療が必要になるケースもあるため、定期的な診断を心がけましょう。症状が悪化すると治療が長引いてしまうので注意が必要です。
まとめ
本記事では、具体的な治療方法、反対咬合に関する疑問点を解説しました。
反対咬合は1〜2歳であれば約半分の確率で自然に治るとされているため、3歳までは基本的に治療を行いません。しかし、放っておくと症状が悪化する可能性も十分考えられます。
反対咬合を長い間そのままにすると、発音が一部難しくなる、そしゃく機能が低下するといったリスクがあります。自宅で治療する方法もいくつかあるため、反対咬合が不安な方は近くのクリニックに相談しましょう。
なお、「千代田区の矯正歯科専門・末広町矯正歯科」ではマウスピース矯正をはじめ、さまざまな治療方法をご用意しております。子供の反対咬合に悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。