近年、歯列矯正の治療における技術の進歩により、抜歯をせずに歯並びを整えられる「歯科矯正用アンカースクリュー」を用いた矯正治療が徐々に浸透してきています。
しかし新しい方法だということもあり、矯正歯科専門医院であっても取り扱っていないところもあるなど、まだまだ一般的だとはいえないのが現状です。
歯列矯正の治療は、自由診療になるケースがほとんどであるため、費用も高額になりがちです。費用面が心配で歯列矯正をためらっている方もいるのではないでしょうか。
その上歯科矯正用アンカースクリューという治療までプラスされるとなると、「一体費用はいくらになってしまうのだろう」とますます不安になってしまいます。
そこでこの記事では、歯科矯正用アンカースクリューの詳細とアンカースクリューを用いた歯列矯正の費用相場、出費を抑える3つのコツについてご紹介します。
歯列矯正を検討している方や、歯科矯正用アンカースクリューの治療を勧められている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
歯科矯正用アンカースクリューとは
「歯科矯正用アンカースクリュー」とは、歯列矯正の治療専用に開発された直径1.3mm〜2.0mmのチタンで作られたネジのことです。
それを歯が生える土台となる歯槽骨に埋め込み、固定源としてゴムを引っ掛けて歯を動かしたい方向へ移動させる治療のことを、アンカースクリュー矯正やインプラント矯正と呼びます。
従来の矯正治療では、歯と歯が綱引きのようにお互いを引っ張り合って歯並びを整えていましたが、固定源とした歯まで動いてしまうという欠点がありました。
アンカースクリューを用いた歯列矯正の治療では、この固定源にチタン製のネジを使用することで、従来の方法では難しかった症例にも対応できるようになっています。
また、治療期間が短く済んだりヘッドギアなどを使用しなくて済んだりする場合もあるなど、患者さんにとって非常にメリットの多い治療です。
ただし、メリットが多い一方でネジを歯茎に埋め込む処置が必要になり、それに伴って治療にかかる費用も高くなるなど、当然デメリットもあることを知っておきましょう。
歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯列矯正の費用相場とは
歯列矯正の治療にはさまざまな費用がかかるため、はじめての方にとってはわかりにくく、どのくらい費用がかかるものなのか不安になってしまうものです。
費用は歯列矯正を受けるクリニックを決める際の判断材料にもなりますので、事前に確認しておきましょう。
ここでは、歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯列矯正の費用相場についてご紹介します。
歯科矯正用アンカースクリューはオプション治療
歯科矯正用アンカースクリューは、患者さんへのメリットが非常に多く、近年では多くの歯列矯正に取り入れられている治療です。しかし、歯列矯正の治療を行っている方全員が行うわけではなく、あくまでもオプションとして取り入れられます。
歯科矯正用アンカースクリューをオプションとして取り入れると、以下のようなメリットがあります。
- 治療期間の短縮
- 抜歯をせずに治療できる可能性
- 開咬やガミースマイルの改善が可能
- 動かない強固な固定源を得られる
- 患者さんの負担が軽くなる
開咬とは、前歯の上下方向に隙間ができる不正咬合のことで、上下の前歯が咬み合わない状態です。
そして、ガミースマイルとは笑ったときに歯茎がたくさん見えてしまう状態のことで、歯科矯正用アンカースクリューを使用することで、この2つの歯並びの改善が見込めるというメリットがあります。
また、奥歯の動きに左右されないで治療を進められるため、前歯を動かすために犬歯をまずは移動させるなどの方法を取る必要もなく、患者さんの負担も軽減します。
歯科矯正用アンカースクリューは必ずしも使わなければいけない方法ではありませんが、非常にメリットが多い治療です。担当の医師に勧められたときは、勧める理由や費用の面についてしっかりと説明を聞いて納得をした上で受けるようにしましょう。
歯科矯正用アンカースクリューの費用相場
歯科矯正用アンカースクリューは、一般的な歯列矯正の治療と同様に、保険が適用されない自由診療です。そのため、費用はクリニックによって異なりますので、事前に問い合わせてみることをおすすめします。
一般的な歯列矯正の治療でアンカースクリューを使用する際は、その費用に追加で1本につき5,000〜35,000円程度が相場となるでしょう。
しかし、歯科矯正ようアンカースクリューは2012年に薬事承認され、さらに2014年には健康保険が適用されています。これにより、歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯列矯正の一部(顎変形症など)は3割負担で受けられるようになりました。
保険が適用されるのは、病気を治すことに匹敵するような症例に限られていますので、該当する可能性がある場合は、歯科医院で相談してみましょう。
歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正で出費を抑える3つのコツ
個人差はありますが、一般的な歯列矯正の費用相場は、表側矯正で700,000〜1,200,000円、裏側矯正で1,000,000〜1,700,000円程度が相場だといわれています。
場合によっては、通院の都度費用が発生するため、できれば歯科矯正用アンカースクリューなどのオプション費用は抑えたいというのが本音ではないでしょうか。
そこでここでは、歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正で出費を抑える3つのコツについてご紹介します。
トータルフィーに歯科矯正用アンカースクリューが含まれる歯科医院を選ぶ
トータルフィー制度とは、治療の最初の段階で、かかる費用の総額を提示する方法です。
途中で装置が追加になったり、予定していた期間よりも治療が長引いたりしても、基本的に治療費が変わることはありません。毎月の通院でかかる調整料なども含まれているため、追加の費用を心配せずに安心して治療に専念できます。
トータルフィーに含まれる費用の内容は、歯科医院によって異なりますが、歯科矯正用アンカースクリューもこの総額の中に含まれているところもあるので、ホームページや事前のカウンセリングでしっかりと確認しておきましょう。
いくつかの歯科医院でカウンセリングを受ける
上述したように、歯列矯正やアンカースクリューの治療は、基本的に自由診療です。
そのため、歯科医院によってかかる費用にかなりの差が出ることもあります。費用を抑えるためにも、一つの歯科医院でカウンセリングを受けるのではなく、いくつかの歯科医院へ相談に行くことをおすすめします。
その際は、以下のことを聞いておくようにしましょう。
- 費用は総額でどのくらいかかるのか
- 支払い方法
- どの装置が適しているか
- 抜歯の必要性
- 治療のリスク
- 治療後どのくらい歯並びが整うか
費用の総額について質問をする際、歯科矯正用アンカースクリューも費用に含まれているかどうかを確認します。他には、保険適用についても聞いてみるとよいでしょう。
部分矯正にできないか相談する
歯列矯正には、全顎矯正と部分矯正があるのをご存知ですか?
字を見てわかる通り、全顎矯正は歯の全体に装置を装着し、部分矯正は動かしたい数本の歯のみに装置を装着します。
部分矯正の費用は、30〜50万円程度が相場です。全顎矯正よりも費用が安くなる上に、治療期間も短くて済みます。費用を抑えて歯列矯正を行いたい方にとっては、嬉しい方法ではないでしょうか。
症例は限られますが、部分矯正と歯科矯正用アンカースクリューを併用すると、矯正器具を装着する歯が1本でも治療ができるケースもあるようです。
ただし、部分矯正はすべての症例において可能なわけではないので、カウンセリングで確認してみる必要があります。
まとめ
歯科矯正用アンカースクリューの詳細と歯科矯正用アンカースクリューを用いた歯列矯正の費用相場、出費を抑える3つのコツについてご紹介しました。
歯科矯正用アンカースクリューは、歯茎にネジを埋め込んでそこを固定源とすることで歯列矯正の治療をスムーズに進める治療です。治療期間が短くなるだけでなく、本来は抜歯が必要な症例でも対応できるなど、歯列矯正を検討している方にとってはメリットも多いです。
歯列矯正と同様に、一部の治療には保険が適用されますが、ほとんどの場合は自費で支払うことになるため、費用について気になっている方も多いのではないでしょうか。
そのような場合は、今回ご紹介した出費を抑えるコツを参考に、自分が納得できる歯列矯正の治療を受けるようにしましょう。
千代田区の矯正歯科専門・「末広町矯正歯科」では、矯正器具の種類にこだわらず患者様一人ひとりに適した歯列矯正の治療法をご提案いたします。患者様のプライバシーの保護や感染症予防の観点から、個室にて安心で安全な診療を行っております。
費用がご不安な方のために、デンタルローンによる分割のお支払いなどもご用意しておりますので、歯列矯正を検討している方は、ぜひお気軽に「末広町矯正歯科」の無料カウンセリングへお越しください。