マウスピースを着用することで徐々に歯を動かし、理想の歯並びを実現するマウスピース型矯正装置は、自由に取り外しできることや、目立たずに矯正治療ができることから人気の治療方法です。
マウスピースを装着したときに、歯を動かす力によって歯が痛くなってしまうことがありますが、稀に頭痛を伴う方もいらっしゃいます。
頭痛が起こる原因はさまざまですが、マウスピースによって起こる頭痛がひどく、我慢できないほどだとマウスピースを装着するのが嫌になってしまうため、なんとか対処したいところです。
そこでこの記事では、マウスピース型矯正装置によって頭痛が起こるタイミングと対処法をご紹介します。
マウスピース型矯正装置によって頭痛が起こるタイミングとは
噛み合わせが悪い、食いしばりなど、口内のトラブルによって頭痛が引き起こされることがありますが、マウスピース型矯正装置による頭痛はどのようなタイミングで起こるのでしょうか?
まずは、マウスピース矯正によって頭痛が起こるタイミングをご紹介します。
新しいマウスピースを装着したとき
マウスピース型矯正装置は、1~2週間ごとに治療計画に沿って新しいマウスピースを患者さま自身で付け替えていき、歯を動かす矯正方法です。
そのため、短いスパンで新しいマウスピースを装着する必要があります。
徐々にとはいえ、歯を動かす力を加えることで歯が痛くなってしまうことがあり、歯が痛くなることで、食いしばりが発生し、頭痛に発展してしまうケースがあります。
歯を食いしばることで、肩、首、顎周辺の筋肉が緊張してしまい血流が悪くなり、筋緊張性頭痛を引き起こすというメカニズムです。
朝起きたとき
寝ている間は無意識のうちに歯を食いしばってしまうことや、歯ぎしりをしてしまうことが多く、その結果頭痛を引き起こすことがあるため、朝起きた瞬間に頭痛がするというケースがあります。
歯が動きやすくなっているマウスピース型矯正装置中に、食いしばりや歯ぎしりを行うことで、圧力がかかり神経を刺激しやすくなるのです。
また、寝ている間歯を固定されていることで、自然と肩や顎がこわばってしまい、力が入ることが頭痛を引き起こす原因にもなります。
ゴムかけを行ったとき
マウスピース型矯正装置中に、顎間ゴム(がっかんゴム)を装着して、歯や顎を正しい位置に導き、噛み合わせを修正する治療が行われる場合があります。
通称ゴムかけともいわれるこの治療では、歯の根元に普段より強い矯正力が加わることとなり、無意識に食いしばりが起こります。
ゴムかけにより動かそうとしている歯が、食いしばりによって矯正したい方向とは違う方向に動いてしまう可能性もあり、ゴムかけ中は食いしばりに注意する必要があります。
さらに、食いしばりを行うことが筋肉の緊張を招き、頭痛を引き起こす原因となります。
硬い物を食べたとき
マウスピース型矯正装置中は、食べ物を食べる際にマウスピースを外して食べることとなりますが、マウスピースを外していても、矯正中は歯が動きやすい状態であることに変わりはありません。
歯が動きやすい状態のときに、せんべいやスルメなどといった硬いもの、噛み切りにくいものを食べてしまうと、歯が揺れて頭痛が起こりやすいので注意が必要です。
噛む力が刺激となって頭痛を引き起こすため、矯正期間中はできる限り硬すぎる食べ物は避け、噛み切りやすいものを中心に食事をとるようにしましょう。
どうしても硬いものを食べたいときは、細かく食べやすい状態にしてから食べることをおすすめします。
ストレスを抱えているとき
疲労やストレスを抱えていると、食いしばりが起こりやすくなった結果、頭痛を引き起こします。
仕事、日常生活でのストレスとともに、矯正治療による精神的なストレスを、食いしばりによって一時的に強い力を加えことで自然に鎮めようという力が働いてしまいます。
また、精神的なストレスだけではなく、体が緊張状態になっていることも食いしばりの原因となります。
食いしばりは無意識にしてしまうことがほとんどですが、疲労やストレスを溜めないようにすることや、矯正期間中の違和感や痛みとうまく付き合っていくことが重要です。
マウスピース型矯正装置中の頭痛への対処法
マウスピース型矯正装置中に起こる頭痛の有無は、治療を続けるモチベーションにもつながります。そのため、頭痛を感じたらすぐに対処することが重要となります。
ここからは、マウスピース型矯正装置中の頭痛への対処法をご紹介します。
痛み止めを飲む
マウスピース型矯正中の頭痛がどうしても我慢できないというときは、矯正歯科で処方してもらった痛み止めを飲むようにしましょう。
しかし、痛み止めを飲む際は飲みすぎに注意が必要です。
決められた量以上に痛み止めを飲んでしまうと、食欲不振、腹痛、アレルギー症状などさまざまな副作用が心配されます。
さらに、痛み止めを飲むことで、痛覚の伝達物質であり、破骨細胞の形成を促進させるといわれるサブスタンスPが産生されなくなり、血液が破骨細胞に変化されるのを阻止してしまうことで、歯の移動速度が遅くなることも考えられます。
以上のことから、市販の痛み止めを飲むのではなく、矯正歯科で処方してもらった痛み止めを飲むことをおすすめします。
筋肉の緊張をほぐす
筋肉が緊張していると、頭痛の原因となることが多いため、筋肉の緊張をほぐすことが大切です。以下のような方法で緊張をほぐす習慣をつけましょう。
- 正しい姿勢を心掛ける
- 首や肩を冷やさないようにする
- ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
- 日常的な運動を行う
- 肩や首のストレッチを行う
血流を改善することで、筋緊張性頭痛が改善されることがあるため、首や肩の血行をよくするために冷やさないようにする、お風呂にゆっくり浸かる、運動をするなど、体を温めるようにするとよいです。
また、頭痛に効くツボを刺激することもおすすめです。筋緊張性頭痛には以下のツボが効くとされています。
- 百会(ひゃくえ)…頭頂部にあるツボ
- 風池(ふうち)…首の後ろの骨と後頭部のくぼみの中間
- 天柱(てんちゅう)…首の骨の両側にある太い筋肉の外側のくぼみ
- 完骨(かんこつ)…耳の後ろにある骨の膨らみの下
- 肩井(けんせい)…首と肩先の真ん中に
- 印堂(いんどう)…眉間の真ん中
ツボは親指でゆっくり数回押すようにしましょう。また、押すだけではなくツボを温めることも刺激になり頭痛が改善することがあるので、試してみてください。
矯正歯科で相談する
ワイヤー矯正に比べれば歯を動かす力が少なく、歯の痛みや頭痛を感じづらいのがマウスピース型矯正装置のメリットでもありますが、体調やストレスなどによっては痛みを感じることもあります。
その場合は、自分で解決しようとしたり、我慢したりせずに矯正歯科で相談するようにしましょう。
マウスピースの交換速度を落とすなど、治療計画を変更できるケースもあるため、自己判断でマウスピースの装着をやめてしまったり、短くしたりしないようにしましょう。
早めに相談し、頭痛を感じやすいタイプだと歯科医師に伝えることで、今後の治療方針も変わってくるため、一人で悩まずに相談することが重要です。
まとめ
マウスピース型矯正装置によって頭痛が起こるタイミングと対処法をご紹介しましたが、参考になりましたか?
マウスピース型矯正中に起こる頭痛は、筋緊張性頭痛であることがほとんどで、その原因は歯を食いしばってしまうことにあります。
そのため、日ごろから意識的に食いしばりをしていないか確認したり、ストレスを溜めないようにしたりすることが重要です。
ストレッチやツボ押しも効果的なので、筋肉の緊張をほぐし、温めて頭痛を改善させましょう。
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