「歯列矯正はダイエットになる」こんな話を聞いたことはありませんか?
もしくは会社や親戚など、身近に歯列矯正をした方がいて、その方が徐々に痩せていくのを実際に見たという方もいるかもしれません。
歯列矯正は、治療期間が1年以上の長期にわたることも多く、その間に自然とダイエットが成功したという例も多々あります。中には、歯列矯正をしてダイエットできたことで、婚活で成功したという方も。
そもそも、歯列矯正は歯並びや咬み合わせを整えるもので、きちんと上下の歯で咬めるようにする治療です。歯並びが良くなるため、虫歯や歯周病が予防できるだけでなく、咬みにくさを感じずに何でも食べられるようになります。
また、よく咬んで食べると満腹中枢が刺激されて適量の食事で満足できるので、過食を防ぎ肥満の予防につながります。ただし、その反対でよく咬まないと太ってしまうということも言えます。
この記事では、歯列矯正がダイエットにつながるのはなぜなのか、よく咬まないと太る理由、おすすめの治療方法についてご紹介します。
歯列矯正に興味のある方や、ダイエットにつながるという話を聞いて不思議に思ったことがある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
歯列矯正がダイエットにつながるのはなぜ?
新型コロナウイルス感染症の流行により、在宅での勤務や外出を控えることが多くなったため、気づいたら太ってしまったという方も多いのではないでしょうか。また、マスクをする生活が当たり前になったこともあり、「口元のコンプレックスを隠せるから嬉しい」という方もいるようです。
そんな中、「歯並びが良くなる上にダイエットできるなんて、一石二鳥!」と歯列矯正をはじめる方が増えているのをご存知ですか?
ここでは、歯列矯正がダイエットにつながるのはなぜなのか、その理由についてご紹介します。
規則正しい生活になるから
冒頭でもご紹介した通り、歯列矯正の治療は1年以上かかることも多く、患者さんの生活習慣などによっては予定よりも余計に時間がかかる場合もあります。
以下は、歯列矯正の治療が長引く原因の例です。
- 治療の途中で虫歯や歯周病になってしまい、矯正治療を一時中断する必要が出た
- 取り外せる装置を使用していて、指示された装着時間を守らなかった
- 通院の予約を度々キャンセルする
- 矯正装置が壊れたままにしてしまった
- 保定装置をきちんと装着していなかった
- 歯磨きが不十分なために度々歯茎が腫れる
歯列矯正の治療は、歯科医師に指示された通りの装着方法や時間などを守り、歯磨きで口の中を清潔に保つことが非常に大切です。
治療期間を短くするためには、歯が効率よく動くように歯の周りの組織の新陳代謝を活発にする必要があります。そうすることによって歯列矯正の効果が高まるので、新陳代謝が活発になるように規則正しく生活し、食生活などにも気をつけなければいけません。
また、歯列矯正をしている期間は、何か食べるたびに歯磨きをするようになります。
「食事が終わったら歯磨きをする」このルーティーンが身に付くことで、自然と規則正しい生活になっていきます。歯磨きをすると、そのあとしばらくの間は何か食べようという気にはならない方が多く、間食が減る場合も。
これらのことにより、歯列矯正がダイエットにつながっていくと考えられるのです。
美意識が高まるから
歯列矯正は装置の種類にもよりますが、大体数ヶ月で歯に変化を感じる方が多いといわれています。
徐々に歯並びが綺麗になっていく様子が嬉しくて、さらに自分の肌や髪型、ファッションなどにも気を使うようになる方も多く、気づいたら全身に関する美意識まで高まっていたということも。
性別に関係なく、美意識の高い方は食事にも気を使います。自然と高カロリーな食べ物から距離を置くことも少なくありません。
また、運動に興味をもつ方も多いです。最近では筋力トレーニングがブームになっており、SNSなどでもさまざまな情報が発信されています。
同じ趣味をもつ方達とつながることで、さらに美意識に磨きがかかり、自然とダイエットが成功する可能性も十分あるでしょう。
食欲がなくなるから
「歯列矯正は痛い」というのは、治療中によく聞くお悩みです。痛みの感じ方に個人差はありますが、以下のような場合に痛みが出やすいようです。
- 矯正装置を調整したあと数日間
- 食べ物を食べるとき
- 矯正装置が口の中の粘膜に当たって口内炎ができたときとき
痛みが強いときは、鎮痛剤も効かないこともあるようで、食事はおかゆなどの消化が良いものや豆腐などのやわらかいものが中心となります。やわらかいものでも、咬む動作をすること自体が辛いときもあるため、中にはスープなどで空腹を凌いだという経験のある方も。
矯正装置によって口の中に異物感があるときも、なかなか思うように食べられないこともあるでしょう。
これらのことから、食欲が出なくなって自然とダイエットになることも考えられます。
よく咬まないと太る理由
ダイエットをするとき、「咬む」ことについて深く考えたことはありますか?
昔から親御さんなどに「食べ物はよく咬んで食べなさい」といわれてきたため、よく咬んだ方が良いことを漠然と知っている方は多いでしょう。
実は、咬むことは食欲とも関係があり、よく咬まないと太ってしまうといわれています。痩せたいと思っているのであれば、咬むこととダイエットとの関係をよく知っておくことが大切なのです。
ではなぜ、よく咬まないと太ってしまうのでしょうか。
満腹中枢が刺激されにくい
よく咬んで食べると、満腹中枢が刺激されて食欲を抑える効果のあるホルモンが分泌され、食べ過ぎ防止になることは、よく知られています。
一般的に、脳が満腹を感じるのにかかる時間はおよそ15〜20分といわれています。早食いの方はそれよりも早いスピードで食事をするため、適量を超えてもお腹がいっぱいと感じません。
また、しっかりと咬まないで食事をすると、「いくら食べても足りない」「食後しばらくするとまたお腹がすく」という事態に陥りやすく、満腹感が持続しにくくなってしまいます。
すると、よく咬まない→満腹中枢が刺激されない→お腹がいっぱいにならない→食べ過ぎてしまう→すぐにお腹がすく→太る、という悪循環が起こってしまうのです。
消費カロリーが少なくなる
東京工業大学の林直亨教授らが行った研究によると、ゆっくりとよく咬んで食べる人の方が、消費エネルギーも多く太りにくいことがわかりました。
より正確にいうと、咬む回数が多いとDIT、いわゆる食事誘発性体熱産生(食後の消費エネルギーのことで、安静時代謝の10〜15%を占めている)が大幅に増えます。
食べた後に消費するエネルギーが大幅に増えるので、特別な運動をしなくてもダイエットにつながるのです。
反対によく咬まないと硬いままの食べ物が胃腸に入り、胃腸をたくさん動かなければいけませんが、消費するエネルギーは少なく食べる量も増えてしまうため、太りやすくなるといえます。
セロトニンが不足する
よく咬むと、セロトニンという脳内物質が分泌されます。別名幸せホルモンと呼ばれ、心の安定には欠かせないものです。
セロトニンは、一定のリズムで同じ動きを繰り返すリズム運動で活性化されることがわかっています。そして、もっとも手軽にリズム運動を行えるのがよく咬んで食べることなのです。
よく咬んで食べないと、セロトニンが分泌されにくいため、小さなことでイライラしたり精神的に不安定になりやすかったりして、ストレス太りしやすくなってしまいます。
マウスピース型矯正装置はダイエットできる可能性のある治療方法
近年、マウスピースを装着するだけで徐々に歯並びが整う「マウスピース矯正」が話題となっているのをご存知ですか?
マウスピース型矯正装置は、透明で薄いマウスピースを1日20時間以上装着する治療方法で、歯列矯正をしていることが周囲の人にわかりにくいなどの特徴があります。
以下は、マウスピース型矯正装置の特徴をまとめたものです。
- 矯正器具が目立たない
- 食事や歯磨きの際は取り外せる
- 1日に20時間以上装着する
- 矯正器具を装着しているときは水以外のものの飲食はできない
- 通院回数が少ない
- 金属アレルギーでも使用できる
- 治療前に術後の状態をシミュレーションできる
マウスピース型矯正装置は、矯正器具を装着したまま食べ物を食べたり、ジュースなどを飲んだりしてはいけません。また、食べたり飲んだりした後は、必ず歯磨きをしてから再び装置を装着します。そのため、自然と間食が減り、気づいたら痩せていたという方も多いです。
ダイエットのために歯列矯正をすることはおすすめできませんが、思わぬダイエット効果を生むこともあるマウスピース矯正で、歯並びや咬み合わせを整えてみてはいかがですか?
まとめ
歯列矯正がダイエットにつながるのはなぜなのか、よく咬まないと太る理由、おすすめの治療方法についてご紹介しました。
現在、ダイエットに関するたくさんの情報が溢れており、何が正しいのか見失ってしまいがちです。歯列矯正をするとダイエットできるという話も、完全に間違ってはいません。しかし、歯列矯正にダイエット効果があるわけではなく、さまざまな要因によって結果的に痩せたという話なのです。
とはいえ、歯列矯正は歯並びや咬み合わせを整えることで、きちんと咬めるようになるため、副次的にダイエット効果も期待できます。
当院は、日本矯正歯科学会の認定医が多数在籍する矯正歯科専門医院です。
患者様の理想の歯並びを3D画像でシミュレーションし、最適な治療方法をご提案します。事前にきちんと治療計画をご説明いたしますので、わからないことや気になることはなんでもご質問ください。
明るく清潔な個室でリラックスして診療を受けていただけますので、歯列矯正を検討されている方は、ぜひ「千代田区の矯正歯科専門・末広町矯正歯科」までお気軽にご相談ください。