歯の矯正と聞くと、「矯正器具が目立って恥ずかしい」「痛い」などのイメージが強いですが、近年では矯正器具や治療法が多様化し、より快適に治療を受けられるマウスピース型矯正装置という治療法で歯を矯正する方が増えています。
マウスピース型矯正装置とは、透明なプラスチックのマウスピースを装着して歯を矯正していく方法です。従来の矯正装置とは違い目立たずに治療ができるため、芸能人やモデルなど人前に出る仕事をしている方たちからとくに選ばれています。
一般的に矯正治療は治療期間が長く、費用も高額になります。そのため、「マウスピース型矯正装置に興味があるけれど、費用が高いのでなかなかはじめられない」「できれば治療費を安く抑えたい」という方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、マウスピース型矯正装置の費用相場と内訳、治療費を抑える5つの方法についてご紹介します。
マウスピース型矯正装置の費用相場と内訳
マウスピースでの矯正治療を検討する際に、もっとも気になるのは費用面です。マウスピースはデータ分析から計画されたプランに基づき、期間をあけて交換していくのが特徴です。費用は歯の状態や治療期間、治療の難易度によって変わっていきます。
ここでは、マウスピース型矯正装置の費用相場と内訳についてご紹介します。
マウスピース型矯正装置の費用相場
マウスピース型矯正装置は、医療保険が使えない自由診療であるため、比較的高額な治療費が必要となります。
一般的なマウスピース型矯正装置の治療費相場は、約10万〜100万円です。
歯科矯正治療が高額になってしまう理由は、治療の目的にあります。歯科矯正治療はほとんどの場合、見た目を整えることを目的としており、病気の治療ではないからです。
実際に矯正歯科クリニックのホームページなどに記載されている費用は相場より安いことも多いですが、このような金額は安さを印象づけることを狙っている場合がほとんどです。
中には費用を安いと印象づけるために、方顎の価格を表記しているクリニックもあるので注意しなければいけません。トータルの価格との記載がない場合は、その金額だけで済むと思わない方がよいでしょう。
マウスピース型矯正装置の費用内訳
マウスピース型矯正装置にかかる費用の内訳には、以下のようなものがあります。
- 検査料
- カウンセリング料
- 診察、診断料
- マウスピースの設計費
- マウスピースの作成費
- メンテナンス料
- 器具の調整費用
- 検診料
- 保定装置費用
- 保定観察費用
料金体系は、矯正歯科クリニックによってそれぞれ違います。これは、歯科矯正はもともと自由診療であるため、どんな費用を設定するかはクリニックが自由に決められるからです。
歯列矯正を専門的としているところでは、初回のカウンセリングや検診などを無料で行っている場合もあります。
また、クリニックによっては矯正治療費としてすべての費用を含んだ金額を提示している場合もありますので、ホームページをよく確認するかカウンセリングなどで確認してみることをおすすめします。
治療費を抑える5つの方法
マウスピース型矯正装置は、痛みや違和感が少なくホワイトニングも併用できるという特徴をもつ矯正治療の方法です。そもそも歯列矯正は保険が適用されない治療であるため、どうしても料金が高額になってしまいます。
では、少しでも治療費を抑える方法はないのでしょうか。ここでは、マウスピース矯正の治療費を安く抑えるための5つの方法についてご紹介します。
安価な装置を選ぶ
マウスピース型矯正装置にはいくつかの種類があり、その種類によっても治療費が違ってくるのをご存知ですか?一般的に、治療効果や審美性の高い治療法を選択するほど、費用はかさむことになります。
以下は、マウスピース型矯正装置に使用される主な装置の種類と一般的な治療費です。
マウスピース型矯正装置・インビザライン
インビザラインはアメリカで開発され、世界中で使用されているマウスピース型矯正装置です。治療実績も豊富で800万人を超える患者さんが治療を受けています。
型をとった歯形を3Dデータにするなど最新のテクノロジーを用いて治療を行うため、料金が高額になるケースが多いです。一般的な料金相場は、マウスピース型矯正の中でも高額な80万円程度です。
マウスピース型矯正装置・イークライナー
韓国で開発されたイークライナーは、CADやCAMなどの最新コンピューターシステムを用いたマウスピース矯正装置です。3種類のマウスピースを7日ごとに交換して治療を行います。
治療時間や費用の負担が少ないのが特徴で、一般的な料金相場は40万円前後です。
マウスピース型矯正装置・アソアライナー
アソアライナーは日本製の矯正装置で、型取りまたはスキャンしたデータをその都度コンピューターで測定してマウスピースを作成するため、精度が高いのが特徴です。
日本で作成しているため、最短で10日後から治療を開始できるというメリットもあります。ただし、矯正できる症例が限られており、複雑な矯正には使用できない方法です。
料金相場は、イークライナーと同じくらいで40万円前後とされています。
医療費控除の申請をする
マウスピース型矯正装置の検査料や治療費などは、他の医療機関で治療を受けた医療費と同じように、医療費控除を受けられます。
医療費控除とは、1年間の間に多くの医療費を支払った場合(一般的には10万円を超える場合)に、所得税が安くなる所得控除という制度のひとつです。
以下は、対象となる医療費の要件です。
- 納税者が自分および生計をともにする家族のために支払った医療費
- その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費
医療費控除は、医療機関にかかったときの治療費や処方箋の薬代、風邪薬などの市販薬の購入費なども対象となります。
その中には歯科医院での治療費も含まれていますが、ここで注意したいのは容貌を美化するための歯列矯正の費用は医療費控除の対象にならないという点です。
医療費控除が適応になるケースかどうかは、歯科医師と相談してみましょう。
部分矯正で改善できるか相談する
マウスピース矯正は、大きく分けて全顎矯正と部分矯正の2つに分けられます。
全顎のマウスピース矯正費用の相場は80〜100万円程度で、治療期間は1〜2年程度かかります。抜歯を伴う治療や、アタッチメントなどを使用しながら歯を大きく動かす治療ができるため、軽度から重度まで幅広い歯列矯正に対応できるのが特徴です。
一方、部分的なマウスピース矯正費用の相場は10〜70万円程度で、治療期間は3ヶ月〜1年半程度です。治療可能な歯並びかどうかで、部分矯正で対応できない場合もあります。
費用を抑えたい方は、部分矯正で歯並びを改善できるか歯科医師と相談してみるとよいでしょう。
モニターを募集しているクリニックを探す
学会などで発表するための資料や、患者さんへの説明用の症例、最先端治療の治験例などになると、マウスピース矯正を安く受けられる可能性があります。
一般的には治療費用が割り引かれるケースがほとんどですが、中には治療費無料でインビザラインでのマウスピース型矯正装置を受けられることもあるので、興味のある方はインターネットなどで検索してみることをおすすめします。
ただし、応募条件が細かく設定されていたりするので、自分は条件に合っているかをよく確認してから応募するようにしましょう。
調整費用などがかからないクリニックを探す
上記でご紹介した通り、矯正歯科クリニックによって料金の提示方法はそれぞれ違います。
以下は、マウスピース型矯正装置の治療費の支払い体系の種類です。
- 事前に治療完了までの料金を支払う総額提示方式
- 通院ごとにマウスピース代金や通院費、調整費用などを支払う処置別支払い方式
治療費がいくらかかるかは歯並びの程度や症状によっても異なりますが、少しでも安く抑えたい方は、調整費用や期間延長による追加費用がかからない総額提示方式をとっているクリニックを選ぶとよいでしょう。
まとめ
マウスピース矯正の費用相場と内訳、治療費を抑える5つの方法についてご紹介しました。
マウスピース矯正を検討している場合、どのくらいの費用と時間をかけられるのか、どのくらい歯並びを治したいのかなどを明確にしておくことが大切です。
治療をはじめてしまってから後悔しないように、まずはカウンセリングなどで自分の目指す矯正後のイメージや希望をしっかりと伝え、どのくらいの費用がかかるのかなどの治療計画を確認しておきましょう。
また、矯正治療は比較的高額になりがちのため、料金の支払いにローンなどを利用した分割払いが可能なクリニックも多いです。気になる方は、その点もカウンセリングで聞いてみるとよいでしょう。
マウスピース型矯正装置は、症状の程度や装着する装置によっても総額は大きく変わってきます。治療を検討している方や、予算に不安のある方はぜひ本記事を参考に、自分に合った矯正歯科クリニックを見つけてみてください。
千代田区の矯正歯科専門・「末広町矯正歯科」では、「誠実に、一生懸命に」をモットーに患者様が安心して治療を受けられる歯科医院を目指し診療を行っています。
治療の事前説明を重視し、患者様に納得して治療を受けていただけるように治療計画を丁寧に説明します。