近年、簡単に取り外しができて目立ちにくいことにメリットを感じ、マウスピース型矯正装置を選ぶ方が増えています。
メディアやSNSで大きく取り上げられていることもあり、ワイヤー矯正のデメリットを感じて矯正を諦めていたという方も、気になっている方が多い矯正方法なのではないでしょうか?
そんなマウスピース型矯正装置ですが、実は治療が失敗してしまったというケースもあり、治療中はさまざまなことに気をつける必要があります。
この記事では、マウスピース型矯正装置の失敗例と、マウスピース型矯正装置を成功させるための3つのポイントをご紹介します。
マウスピース型矯正装置を検討している方はもちろん、治療をすでにはじめている方も、ぜひ参考にしてみてください。
マウスピース型矯正装置の失敗例
矯正治療をしたことによって、歯並びがよくなるはずがかえって口内に問題が起こってしまったという例もあります。
まずは、マウスピース型矯正装置の失敗例をご紹介します。
歯並び・噛み合わせが悪化した
矯正治療では、歯並びを綺麗にすることと、噛み合わせを正すことを目的として行われます。
そのため、本来は歯並びを綺麗にすれば噛み合わせも自然と治るのですが、治療計画やマウスピースに問題がある場合は、歯並びが治っても噛み合わせが悪化してしまうという問題が起こるケースがあります。
同時に、歯並びが治っても口の中心がズレてしまうことで、前歯で物を噛みきれないというこという状態が発生することがあります。
例えば、ひどい叢生によって矯正治療を開始した結果、叢生は治り矯正が成功したように見えても、歯の中心が合っていないことによって噛み合わせが治療前以上に悪化してしまったという例がみられます。
虫歯や歯周病になった
マウスピース型矯正装置中に気をつけたいことの一つとして、虫歯や歯周病を発症させないことが挙げられます。
マウスピース型矯正装置中に虫歯や歯周病になってしまう原因として、以下のような理由が挙げられます。
- 長時間マウスピースを着用したままにしていた
- マウスピースを着用したまま食事をした
- マウスピースが不衛生な状態だった
- 歯磨き不足
矯正治療中に虫歯や歯周病になってしまうと、矯正治療を一度中断して、虫歯や歯周病の治療を行う必要があります。
例えば、虫歯の治療によって歯の形が変わってしまった場合などは、マウスピースを再度作り直す必要も出てくるため、治療の時間がさらにかかってしまう可能性が出てきます。
歯根が露出した
矯正は、歯に力を加えることによって歯槽骨が溶かされ、作り出されるということが繰り返されて、歯が徐々に移動していく治療方法です。
しかし、無理な力が加わることで歯槽骨が過剰に吸収されてしまうと、歯肉退縮につながって歯根が露出してしまうことがあります。
歯根が露出してしまうと歯茎に「ブラックトライアングル」と呼ばれる隙間が形成されてしまうことがあります。
ブラックトライアングルが形成されてしまうと、矯正治療とは別に目立たなくさせるための治療が必要となるケースもあります。
無理な力を加えすぎたり、マウスピースが適切に扱われなかったりすることによって歯茎が下がってしまうため、適切な治療計画と、計画通りのマウスピースを使用することが重要となります。
抜歯により歯が倒れこんだ
矯正治療では、歯を無理なく移動させるために抜歯を行うケースがあります。
抜歯を行うことによって、歯が平行移動されずに奥歯が前に倒れこんでしまうことがあり、そのままマウスピースを装着してしまうと、マウスピースに奥歯が押されてさらに倒れやすくなります。
この状態を放置したままマウスピースを装着し続けてしまうことで、倒れた歯がマウスピースからズレてしまい、当初の予定通り矯正治療が進まなくなってしまいます。
奥歯が抜歯したところに倒れてきてしまった場合は、適切な処置を行う必要がありますが、場合によってはワイヤー矯正と併用しなければいけないケースもあり、当初の計画から大幅に修正が必要となる場合もあります。
思ったような効果が得られなかった
矯正治療が終わっても、当初の計画通り綺麗な歯並びにならなかったと感じる方もいます。
思ったような効果が得られないことには、以下のような原因が考えられます。
- マウスピースの装着する順番を守らなかった
- 装着時間が少なかった
- 保定期間に装置をしっかり装着しなかった
思ったような効果が得られなかった際に考えられる原因は、患者さま自身に問題があるケースが多く、計画通りにマウスピースを装着しなかったことや、1日20時間以上という装着時間を守らなかったことなどが挙げられます。
さらに、マウスピース型矯正装置は歯並びが綺麗になったと思っても、保定装置をしっかり装着しなければ後戻りが発生してしまいます。
後戻りを発生させないためにも、保定装置を使用して治療効果を最大限発揮できるようにする必要があります。
マウスピース型矯正装置を成功させるには
ここまでご紹介したように、マウスピース型矯正装置を失敗してしまったと感じること方もいらっしゃいます。失敗せずにマウスピース矯正を行うにはいくつかポイントがあるため把握しておきましょう。
ここからは、マウスピース矯正を成功させる3つのポイントをご紹介します。
装着時間を守る
マウスピース型矯正装置で主流となっているインビザラインでは、1日20時間以上装置を装着する必要があります。
そのうえで、7日ごとに新しい装置に交換していき、歯を徐々に動かしていきます。
しかし、そもそもの装着時間が短く、1日20時間以上装着できていない状態だと、治療計画通り歯が動かずにどんどんと治療計画が崩れていてしまいます。
マウスピースを装着していない時間は、食事と歯磨きのときだけと考え、それ以外の時間は自己管理によってしっかりマウスピースを装着しましょう。
1日20時間以上装置を装着していない状態で、次のマウスピースを装着してしまうと、歯にかかる力が強くなりすぎてしまうため、治療計画通り進んでいない場合は歯科医師に相談しながらマウスピースを変えていくようにしましょう。
口内のセルフケアを徹底する
マウスピース中は、食後の歯磨きを徹底して行う必要があります。
食後に食べカスが残ったままマウスピースを装着してしまうと、マウスピースと歯の間に汚れが残ってしまい、歯垢を作り出す原因となり虫歯や歯周病を発生させやすくします。
普段から口内の環境を整えるために食後の歯磨きは必要ですが、外食時などは歯磨きが難しく、そのまま放置してしまっている方も多いのではないでしょうか。
矯正治療中でなければ、多少の歯磨き不足は取り返すことも可能ですが、矯正治療中は普段以上に食後の歯磨きを行う必要があります。
少しの油断が虫歯や歯周病を引き起こす原因となるため、どのような状況でも食後に歯磨きをすることを忘れないようにしましょう。
また、食後の歯磨きとともに、マウスピースのお手入れも欠かさず行う必要があります。
マウスピースは装着前に洗浄液や食器用の洗剤で、綺麗に洗浄することが推奨されています。
雑菌がついたまま装着することは、口内環境を悪化させることにつながるため、口内のケアと同時にマウスピースのケアもしっかり行うようにしましょう。
治療中の疑問はすぐに矯正歯科に相談を
ワイヤー矯正と違い、通院回数が少なくて済むのはマウスピース矯正のメリットといえますが、治療中に疑問に感じたことや違和感を覚えたことを、次の治療までそのままにしてしまうのは危険です。
新しいマウスピースに交換したときに、いつも以上に痛みを感じたり、違和感を覚えたりした場合には、通院予定にかかわらず歯科医師に相談することが重要です。
計画通りにマウスピース矯正が進んでいないケースも考えられるため、その場合はすぐに治療計画を修正する必要があります。
自分自身で判断できないことも多いため、疑問点や違和感はすぐに歯科医師に相談し、適切な処置を受けるようにしましょう。
まとめ
マウスピース型矯正装置の失敗例と、マウスピース型矯正装置を成功させるための3つのポイントをご紹介しましたが、参考になりましたか?
マウスピース矯正が失敗してしまうときは、歯科医師の技術的な問題のほかにも、患者さま自身の自己管理が原因となるケースもあります。
実績があり、信頼できる矯正歯科を選ぶことも必要ですが、自己管理をしっかり行い、矯正失敗のリスクを避ける行動をとることも重要です。
矯正治療を検討している方は、マウスピース型矯正装置の実績も豊富な千代田区の矯正歯科専門・「末広町矯正歯科」まで、ぜひお気軽にご相談ください。