歯並びが整った綺麗な口元の大切さはわかっていても、仕事が忙しかったり子どもの頃に痛い思いをした経験があったりして、なかなか歯科医院へ行く気になれないという方も多いです。
しかし、「今のところ虫歯もなさそうだし‥」「歯並びが汚くても困らないし‥」と放置していると、さまざまな悪影響が出てくるかもしれません。
日本では、歯並びを整えることのメリットについてほとんど話す機会や教育を受けることもないですが、欧米諸国では歯列矯正のために子どもの頃から歯科医院へ通うことが当たり前です。とくに男性は、歯並びが悪いことで自己管理能力がないと思われ、就職にまで影響が及ぶ可能性もあります。
最近は、日本でもビジネスシーンで活躍する男性ほど歯並びを整える傾向にあり、その影響からか、徐々に歯列矯正をする方が増えてきているようです。
この記事では、歯並びの種類と歯並びが悪い男性が歯列矯正をすべき理由、失敗しない矯正歯科の選び方をご紹介します。歯並びの悪さが気になっている男性や、歯列矯正を検討している男性はぜひ最後まで読んでみてください。
悪い歯並びの種類
日本人は比較的顎が小さく、歯が生えるスペースが狭いため歯並びが乱れやすいといわれています。近年においては、成長期に硬い食べ物を食べる機会が減り、顎の発育成長が十分に促されないことで、以前よりも歯並びの悪さに悩む方が増えているようです。
歯並びの種類によって治療内容や期間も異なりますので、まずは自分の歯並びがどの種類であるか理解することからはじめましょう。
叢生(そうせい)
叢生とは、歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なり合ってでこぼこの状態になっている歯並びです。犬歯が前に突出した八重歯や、歯並びがガタガタの状態の乱杭歯も叢生の一種です。
日本人の不正咬合でもっとも多くみられる歯並びで、顎の大きさに対して歯が大きく無理に生えてきているため、重なり合ったりねじれたりします。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突は、下の前歯に比べて上の前歯が前に突出した状態になっている歯並びのことです。いわゆる出っ歯のことで、上顎の骨自体が前方にある先天的なものと、指しゃぶりや舌の癖により歯自体が突出した後天的なものがあります。
軽度の場合は歯列矯正のみで改善できますが、骨格的の要因が大きい場合は外科手術の併用が必要になることもあります。
下顎前突(かがくぜんとつ)
下顎前突とは、下の歯が上の歯よりも前に突出した状態になっている歯並びのことです。一般的に、受け口やしゃくれと呼ばれています。上顎前突と同様、原因が歯並びに限局される場合と、骨格的に問題がある場合があります。
不正咬合の中でもとくに早期治療が必要な症状であり、治療の効果を得やすいのが特徴です。
開咬(かいこう)
開咬とは、前歯に上下方向の隙間ができる歯並びのことで一般的にはオープンバイトと呼ばれています。前歯が咬み合っていないため、食べ物を咬みきれなかったり空気が抜けて発音しにくかったり、日常生活に支障が出る場合もあります。
開咬は、前歯が咬めない分奥歯に過剰な負荷がかかることから、不正咬合の中でも将来歯を失うリスクが高いのも特徴です。
交叉咬合(こうさこうごう)
交叉咬合は、上下の歯が部分的に反対咬合になっている状態のことです。一般的にクロスバイトやすれ違い咬合などとも呼ばれます。骨格的な問題がある上顎の大きさが小さいことや、下顎が左右どちらかに偏っていることが原因です。
ひどくなると顔面が非対称になることもあり、食べ物をうまく咬めなくなったり歯を食いしばったりできなくなるケースもあります。
空隙歯列(くうげきしれつ)
空隙歯列とは、いわゆるすきっ歯のことです。歯と歯の間に隙間があり、まばらに生えていることもあります。隙間から空気が漏れて発音に支障が出たり、食べ物をうまく噛みきれない、咀嚼がしにくいなど食事に影響が出たりする恐れもあります。
先天的に歯が欠損している、顎の大きさに対して歯が小さい、上唇小帯(上唇と歯茎をつなぐ、上の前歯の中央部にある「すじ」)の位置異常などが原因です。
過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合は、噛み合わせが深く上の前歯が下の前歯に大きくかぶさっている状態です。前歯の接触が強いため、歯をすり減らしてしまったり顎うらの内側の歯肉を傷つけてしまったりする恐れがあります。
顎関節に負担がかかることが多く、顎関節症を引き起こす原因にもなります。歯の並びを治療するだけでなく、根本的な咬み合わせを改善しなければいけません。
歯並びが悪い男性が歯列矯正をすべき理由
冒頭でもご紹介したように、歯並びが悪い男性は自己管理能力が低いと思われることもあります。もし、見た目をさほど気にしないという方でも、なんらかのトラブルが生じる可能性もありますので、歯並びが気になる場合は歯列矯正を検討するようにしましょう。
ここでは、歯並びが悪い男性が歯列矯正をすべき理由についてご紹介します。
歯並びが悪いと虫歯になりやすくなるから
歯並びが悪いと、歯ブラシの毛先が届きにくく汚れも残りがちです。汚れが残ると、口の中の細菌が食べカスの中にある糖分を餌にしてプラークを作り出し、歯や歯茎の境目に付着します。
プラークの中には、虫歯や歯周病の原因になる細菌がたくさん住み着いていて、酸や毒素を出すため、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。
虫歯も歯周病も、そのまま放置すると歯を失う可能性もある恐ろしい疾患です。ブラッシング不足を避けるためにも、歯並びが悪い男性は歯列矯正をした方がよいでしょう。
不快感を与える可能性があるから
歯並びの悪さは、虫歯や歯周病のリスクを高めるだけではありません。
歯ブラシだけでなくデンタルフロス(糸ようじ)も通りにくく、隙間や段差に挟まった食べカスを磨き残してしまうと歯石や歯垢がたまり、そこに細菌が繁殖して口臭を発生させる原因になります。
歯並びが悪いだけで第一印象でマイナスイメージを与え、さらに口を開いて話すときに口臭が漂ったとなれば、相手にかなりの不快感を与えている可能性もあります。
さらに、口臭のみならず歯の黄ばみや黒ずみなども付きやすくなり目立つようになってくるため、不潔なイメージを与えることは間違いないでしょう。。
骨格が歪み心身に影響を及ぼす恐れもあるから
歯は食べ物を食べるためだけのものではないのをご存知ですか?全身のバランスを取るための大きな役割をはたしており、歯並びが悪い場合はもちろん、虫歯や歯周病などで歯を1本失っただけでも、体のバランスを崩して骨格が歪んでしまうことがあります。
さらに、骨格が歪むことで姿勢が悪くなると、以下のようなリスクを引き起こすことがあります。
- 頚椎や腰椎のヘルニア
- 神経や血液への悪影響
- 頭痛
- 視力低下
- 肩や首の凝り
- 手足の痺れ、冷え
- めまいやふらつき
- 不眠、精神不安定
首の周りは重要な神経や血管が集中している場所です。歯並びが汚いことで歪んでしまった体のバランスを取ろうとすると、首に余計な力が入ります。すると神経や血管を圧迫してしまうため、全身の神経や血管、リンパにまで悪影響を及ぼしてしまうのです。
失敗しない矯正歯科の探し方
歯並びが悪い男性は、歯列矯正を受けるべきだということをおわかりいただけたでしょうか。
ここでは、いざ歯列矯正をしようと思っても、どの歯科医院で治療を受ければよいのかわからないという方のために、失敗しない矯正歯科の探し方についてご紹介します。
以下は、矯正歯科を探す際の3つのポイントです。
- 歯列矯正の専門医院を探す
- 歯列矯正の認定医もしくは専門医が在籍している
- カウンセリングをしっかり行っている
まず、歯列矯正をする場合は、歯列矯正の専門医院へカウンセリングに行きましょう。
歯科医院には、一般歯科医院と専門医院があります。一般歯科医院は主に虫歯治療などの一般的な治療を行っており、幅広い症状に対応してくれるのが特徴です。しかし、歯列矯正には専門的な知識と技術が必要であるため、一般歯科医院では対応が難しい場合もあります。
また、知識や技術だけでなく材料や機材なども特殊なものが必要なため、一般歯科医院では対応に限界があるケースも少なくありません。そのため、歯列矯正を希望する際は、歯列矯正の専門医院へ相談に行くことをおすすめします。
歯列矯正には、大学病院などで専門的な治療や技術について5年間以上学び、学会発表の審査に合格した者に与えられるなど、一定の条件をクリアしなければ得られない認定医や専門医という制度があります。
矯正歯科を探す際は、歯列矯正の認定医や専門医がいるかを確認してみるとよいかもしれません。
まとめ
悪い歯並びの種類と歯並びが汚い男性が歯列矯正をすべき理由、失敗しない矯正歯科の選び方をご紹介しました。
歯並びが悪い男性は、接する人に不快感を与える可能性があるだけでなく、虫歯や歯周病、延いては心身にまで影響を及ぼす可能性もあります。
歯列矯正をすることで、これらのリスクを少なくすることもできるため、早めに矯正歯科へ相談に行くことをおすすめします。
仕事が忙しい男性でも気軽に通院していただけるように、土日も診療を行っております。
できるだけ目立たない歯列矯正を希望される方のために、マウスピース型装置矯正や舌側矯正などもご用意しておりますので、ぜひ一度千代田区の矯正歯科専門・「末広町矯正歯科」にご相談ください。